AMIAメモ:金曜日/Notes from AMIA 2015 Portland: Friday
Ann Adachi-Tasch
以下は2015年11月18−21日にアメリカオレゴン州、ポートランドで行われたAssociation of Moving Image Archivist (AMIA)のカンファレンス20日、金曜日のメモです。これはアメリカの映像保存学会のカンファレンスでの様子、今日のディスカッションなどを簡単に紹介するために公開します。個人のメモであり、発表者の直接なエントリーではありません。
This entry is notes from the Friday (11/20) sessions held at the Association of Moving Image Archivist Conference (AMIA), held in Portland on November 18-21, 2015. These notes are made available in order to introduce the types of discussions held by moving image archivist in the U.S., to those interested in Japan. These are notes taken by an audience member, and is not a direct entry made by the presenters of the conference.
レビュー:前川充 / Reviewed by Mitsuru Maekawa
Friday, 11/20
9:30am Designing and Building the Post-Analogue Audiovisual Archive
このセッションではNetherlands Institute for Sound and Vision にて音響と映像(AV)アーカイブがどのような役割を果たしているかを発表。オランダの放送文化を代表する団体で、放送文化美術館、図書館、技術開発ラボ、アーカイブの機関から構成している。それぞれの機関のデジタル・データの管理、またそのデータの利用性を高めることをミッションとしている。一般ユーザー向けにインタラクティブな利用を高めるため様々な方法を用いてアーカイブのコンテンツを紹介、また足している。
例えばクラウド・ソーシングを使い、ウェブで公開する音声や映像にゲーム感覚で一般ユーザーに索引作業/インデクシングを行う。また他のプロジェクトでは一般に呼びかけ家族にまつわるホーム・ムービーを投稿してもらい、国の映像文化アーカイブを充実化する。
現在では16petabyte の情報をLTO6で保存している。LTOはバージョンアップするため2年半に一度はマイグレーションをする。
Speaker
Jan Müller, Netherlands Institute for Sound and Vision, FIAT/IFTA President
11am Tools and Technologies for Enhancing Access to Audiovisual
AVコレクションは近年デジタル化されインターネットで簡単に見られるようになったが、映像と音声はテキスト・ベースでないためコンテンツの検索が困難である。デジタル・ツールを使いコンテンツをユーザーにいかに使いやすく提供するか発表された。
Media Ecology Project
メディア・エコロジー・プロジェクトの発表では学術研究者や一般ユーザー、そして索引作者向けのツールを紹介。
l コロンビア大学図書館の開発によるオープン・ソースのツール「mediathread」。Mediathreadは様々な画像と映像コレクション(YouTube, Flickr, library databases)にコネクトし、そのコンテンツを分析する環境に引用することができる。Mediathreadの中で、メディア・コンテンツを短縮、注釈、まとめ、そしてエッセーなどに組み込むことが可能。
http://ccnmtl.columbia.edu/digitalbridges/projects/mediathread.html
l University of Southern California, Scalar。オープン・ソースのデジタル・パブリッシング・プラットフォーム。E-ブックやブログのリニアーなナビゲーションではなく、ネット感覚に多数の入り口や検索キーワードでナビゲートするデジタル発行物が作れる。
l Onomy.orgはセマンティク・ウェブに使えるタクソノミー(分類法)やフォクソノミーなどを作り、シェアを可能にするプログラム。作った「オノミー」はRDF, JSON, HTMLなどのフォーマットに変換し、公開できる。用語を規則化する。
Pop Up Archive はスピーチ音声(インタビュー等)からタグ、インデックス、書き写しを自動でするサービスを提供。スピーチは秒のレベルで検索が可能。
Chair
Jack Brighton, Illinois Public Media
Speakers
Lai Tee Phang, National Archives of Singapore
Anne Wootton, Pop Up Archive
Mark Williams, The Media Ecology Project, Dartmouth College
Allison Schein, Studs Terkel Archive
3:30pm Navigating Copyright to Provide Access and Use
このセッションではデジタルメディアをウェブ上で公開する上で著作権の問題等をどのように対応してきたかケース・スタディ発表をした。
公共テレビ局WGBHとライブラリ・オブ・コングレス(LS)が共同で実施しているAmerican Archive of Public BroadcastではWGBH局がパブリック・インターフェースを担当し、LSがデジタル・アーカイブを担当している。アメリカの放送文化に関わる資料を様々なコレクションを集めて一つのデジタル・アーカイブとして公開している。
l 各コレクションから資料を集めるとき、使用許可を得ること。
l 一般公開する前に入念に内容をチェックし、著作権やプライバシー損害などの問題にふれないか確かめる。
l 著作権保持者が不明な場合は公開して、免責情報としてその作品について情報を知っている場合はWGBHに連絡を頼む呼びかけをする。
l Deed of Gift / 所有権、著作権の譲渡の模範としてCreative Commonsを使用。
Moving Image Archive of Hawaii / ハワイ映像アーカイブでは一般公開する際、低画質の映像(H264,mp4)、そして作品のトータルの長さの10%のみ公開する。著作権警告を提示し、ウォーターマークをつける。
Chair
John Tariot, Film Video Digital
Andy Sellars, Berkman Center for Internet & Society, Harvard Law School
Speakers
Casey Davis, WGBH
Janel Quirante, University of Hawaii – West Oahu
Nadia Ghasedi, Washington Universit